文献詳細
特集 第58回日本臨床眼科学会講演集 (2)
学会原著
文献概要
目的:網膜中心静脈閉塞症に対するトリアムシノロン球後注射の効果の報告。対象と方法:対象は網膜中心静脈閉塞症5例6眼で,年齢は38~71歳(平均60歳)である。3~11か月(平均7か月)の経過観察を行った。トリアムシノロンアセトニド20mgを結膜円蓋部から筋紡錘内に注射した。結果:トリアムシノロン投与前視力は0.16,最終視力は0.36に改善した。眼底所見では4眼で網膜出血が改善し,うち2眼では消失した。全例で黄斑浮腫が軽減し中心窩の陥凹が復活した。3眼では浮腫が再発しトリアムシノロンを追加投与した。反復投与ではその効果が減弱していった。結論:網膜中心静脈閉塞症へのトリアムシノロン球後注射は,簡便で副作用が少なく,眼底所見の改善と視力向上に有効であった。黄斑浮腫の再発が主な問題点である。
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