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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科59巻4号

2005年04月発行

文献概要

特集 第58回日本臨床眼科学会講演集 (2) 学会原著

脈絡膜剝離を合併し血管内治療が著効した頸動脈海綿静脈洞瘻(CCF)の1例

著者: 高岡真帆1 尾藤洋子1 田中康之1 梅林猛1 小泉徹2

所属機関: 1大津市民病院眼科 2大津市民病院脳神経外科

ページ範囲:P.513 - P.518

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 目的:脈絡膜剝離,浅前房,近視化を併発した頸動脈海綿静脈洞瘻症例の報告。症例:66歳女性が3週前からの眼球運動障害,眼球突出,結膜血管の蛇行と拡張,眼圧上昇で紹介受診した。矯正視力は右0.7,左0.3で,左眼に脈絡膜剝離,浅前房,近視化,動眼・滑車神経麻痺があった。血管造影で狭義の頸動脈海綿静脈洞瘻はなく,副硬膜動脈と上眼静脈との間に瘻形成が証明された。血管内治療が奏効し眼症状はほとんど消失した。結論:頸動脈海綿静脈洞瘻により,脈絡膜剝離,浅前房,近視化が発症することがある。海綿静脈洞を介さないため外転神経麻痺がなく,血流が直接短絡したことでうっ血が強く脈絡膜剝離が生じたと解釈される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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