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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科59巻4号

2005年04月発行

文献概要

特集 第58回日本臨床眼科学会講演集 (2) 学会原著

道路情報板における色彩情報のユニバーサルデザイン

著者: 中村かおる1 岡島修2 西尾佳晃3 北原健二3 尾登誠一4 松下之憲5 軍記伸一6

所属機関: 1東京女子医科大学眼科学教室 2三楽病院眼科 3東京慈恵会医科大学眼科学教室 4東京芸術大学デザイン科 5日本道路公団施設整備室施設企画課 6日本道路公団施設整備室施設保全課

ページ範囲:P.523 - P.527

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 目的:道路情報板に使用する色についての実験結果の報告。方法:先天色覚異常者が混同しやすい赤色を特に検討した。被験者は23~51歳の第1色盲5人,第2色盲6人,および正常色覚10人で,全員が矯正視力0.7以上であった。590~640nmの6種類の波長のLED発光色を提示し,色覚異常者には視認しやすさを,正常色覚者には赤として認識できる程度を評価させた。結果:先天色覚異常者は,昼間,夜間ともに現在用いられている640nmの赤は判読しにくく,620nm前後で視認性が最も高かった。正常色覚者は波長が長くなるとともに「赤らしさ」が高まった。両者の妥協点は,昼間環境では624nm,夜間環境では627nmと推定された。結論:安全性が重視される道路表示には,正常色覚者の利便性と色覚異常者の視認性を満足させるカラーユニバーサルデザインが不可欠である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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