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臨床報告
大量の硝子体出血により緑内障発作を起こした加齢黄斑変性の1例
著者: 上水流広史1 森秀夫1
所属機関: 1大阪市立総合医療センター眼科
ページ範囲:P.543 - P.546
文献購入ページに移動 76歳男性が左眼視力低下で受診した。矯正視力は右1.0,左0.05で,右眼に軟性ドルーゼン,左眼に加齢黄斑変性があった。8か月後に中等度の硝子体出血が左眼に発症した。硝子体手術を予定したが,硝子体出血が急速に増悪し,緑内障発作が起こり,視力が0になった。硝子体出血により毛様体と水晶体が前方に偏位し,隅角を閉塞して緑内障になったと推定した。緊急に白内障手術と硝子体手術を行い,眼圧は正常化したが視力は0のままであった。本症例には抗凝固療法は行わず,止血機能には異常がなかった。既往歴として高血圧があり,これと関連した脈絡膜血管の脆弱性が大量の硝子体出血を惹起した可能性がある。
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