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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科59巻4号

2005年04月発行

文献概要

臨床報告

鼻側脈絡膜の造影遅延を認めた網膜中心動脈閉塞症と前部虚血性視神経症を合併した1例

著者: 糸井恭子1 菅澤淳2 池田恒彦2

所属機関: 1済生会茨木病院眼科 2大阪医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.547 - P.552

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 68歳男性に右眼の霧視が突発し,ただちに受診した。2日前から同様の発作が頻発していた。矯正視力は右光覚弁,左1.0であった。眼底に桜実黄斑があり,網膜中心動脈閉塞症と診断した。4日後に前部虚血性視神経症の所見が生じた。蛍光眼底造影で,鼻側脈絡膜への流入遅延と視神経乳頭の過蛍光があった。磁気共鳴血管造影(magnetic resonance angiography)で,右内頸中大脳動脈系の狭窄があった。最終的に網膜の白濁は消失し,乳頭が蒼白化した。内頸動脈の狭窄部で血栓が形成され,眼内血管閉塞が生じた可能性が高い。その閉塞部が1か所であるならば,網膜中心動脈と鼻側脈絡膜を支配する短後毛様動脈が同じ部位で分岐するという血管の異型が存在する可能性がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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