文献詳細
臨床報告
文献概要
2004年2月までの18か月間に44例44眼を感染性角膜潰瘍と診断した。潰瘍部の擦過物を培養し,21例に細菌が検出された。うち6例がメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA),1例がメチシリン耐性表皮ブドウ球菌(MRSE)であった。いずれも高齢,骨髄移植後,水疱性角膜症などの易感染性患者に生じていた。ニューキノロンとクロラムフェニコールの頻回点眼を主とする治療で,発症から3か月以内に瘢痕治癒しバンコマイシンを必要としなかった。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌による角膜感染症の治療では,すでにバンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌(VRSA)の病院内での頻度が増加していることもあり,バンコマイシンの使用は慎重に行うべきである。
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