icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科59巻5号

2005年05月発行

文献概要

連載 今月の話題

甲状腺眼症の治療戦略―放射線治療は有効か

著者: 大塚賢二1

所属機関: 1札幌医科大学医学研究科感覚機能制御医学部門

ページ範囲:P.599 - P.603

文献購入ページに移動
本邦では甲状腺眼症の治療に対する考え方には種々の混乱がみられるが,国際的には,炎症早期にステロイドパルスなどの免疫抑制療法を行って症状の悪化を抑制し,その一方で眼球突出や眼球運動制限などの慢性期の不可逆的変化に対しては,必要に応じて眼窩減圧術や外眼筋手術による眼位矯正などを行うことが一般化された方針である。しかし放射線照射だけは,内外を問わずその有効性に多くの疑問をもたれながらも甲状腺眼症の治療に慣例的に用いられてきたのが現状であった。最近行われた諸外国の比較対照試験の結果はいずれもその有効性に強い疑問を呈するものであり,甲状腺眼症における放射線治療の有効性について再検討する時期にきているというべきであろう。本稿では,本邦の混乱した甲状腺眼症の治療方針を整理しながら,近年の放射線療法の比較対照試験の結果をレビューし,現在の知見から最も効果的と考えられる甲状腺眼症の治療方針を解説する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら