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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科59巻5号

2005年05月発行

文献概要

特集 第58回日本臨床眼科学会講演集 (3) 学会原著

抗リン脂質抗体症候群が原因と考えられた網膜中心静脈閉塞症の1例

著者: 中茎敏明1 西野耕司1 小浦裕治1 福島敦樹1 上野脩幸1

所属機関: 1高知大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.681 - P.686

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目的:片眼性の網膜動脈分枝閉塞症と網膜中心静脈閉塞症に網膜中心動脈閉塞症が続発した,抗リン脂質抗体症候群の症例の報告。症例:59歳女性の右眼に網膜動脈分枝閉塞症と網膜中心静脈閉塞症が突発し,血栓溶解療法を受けた。病状悪化でその2日後に紹介され受診した。矯正視力は右眼0.01,左眼1.0であった。発症6日後に硝子体手術と放射状視神経乳頭切開を行った。その2日後に網膜中心動脈閉塞症が起こった。血小板減少と抗カルジオリピン抗体があり,全身性エリテマトーデスに伴う抗リン脂質抗体症候群と診断した。副腎皮質ステロイド薬投与で血小板数が増加した。血栓溶解療法で動脈の循環が改善したが,静脈の循環は改善せず,最終矯正視力は0.03であった。結論:抗リン脂質抗体症候群が非若年者の網膜中心静脈閉塞症に関係することがある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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