文献詳細
特集 第58回日本臨床眼科学会講演集 (3)
学会原著
文献概要
48歳男性に右眼視野異常が突発した。5か月前から慢性C型肝炎に対してインターフェロンの全身投与を受けていた。視力は両眼とも1.5であったが,視神経乳頭所見,動的量的視野,蛍光造影所見などから両眼に同時発症した前部虚血性視神経症と診断した。インターフェロンの投与中止とステロイドパルス療法で視野はやや改善した。インターフェロンは網膜と視神経の循環障害を起こす可能性がある。比較的若年で前部虚血性視神経症の危険因子に乏しい本症例では,インターフェロンが前部虚血性視神経症の発症に関与した可能性がある。
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