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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科59巻6号

2005年06月発行

文献概要

特集 第58回日本臨床眼科学会講演集 (4) 学会原著

経瞳孔温熱療法が奏効した脈絡膜血管腫の1例

著者: 寺坂祐樹1 八幡健児1 八田史郎1 山崎厚志1 井上幸次1 五味文2 田野保雄2

所属機関: 1鳥取大学医学部視覚病態学教室 2大阪大学医学系研究科感覚器外科学講座眼科学視覚科学教室

ページ範囲:P.863 - P.867

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61歳男性が右眼網膜剝離で受診した。右眼の矯正視力は0.4で,乳頭鼻側の眼底に3乳頭径大の脈絡膜血管腫と,黄斑部を含む滲出性網膜剝離があった。フルオレセインとインドシアニングリーン蛍光造影で,腫瘍はびまん性過蛍光を呈した。経瞳孔温熱療法(TTT)を行い,2か月後にインドシアニングリーン蛍光造影で過蛍光が残っている部位にTTTを追加した。その後血管腫は瘢痕化し,フルオレセインとインドシアニングリーン蛍光造影所見はともに低蛍光になった。追加TTTの6か月後に網膜剝離は消失し,0.8の最終視力を得た。TTTにより血管腫内の血管が閉塞し,網膜下液が吸収されたと考えられた。滲出性網膜剝離を伴う脈絡膜血管腫に対し,TTTが奏効した症例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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