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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科59巻6号

2005年06月発行

特集 第58回日本臨床眼科学会講演集 (4)

学会原著

腎移植後慢性拒絶反応の治療中に発症したサイトメガロウイルス網膜炎の1例

著者: 今村ひろみ1 嵜野祐二1 木許賢一1 中塚和夫1 野村威雄2

所属機関: 1大分大学医学部眼科学教室 2大分大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.875 - P.878

文献概要

46歳男性が20年前に囊胞腎に対して腎移植を母親から受けた。4年前から慢性拒絶反応が起こり,副腎皮質ステロイドと免疫抑制薬の投与を受けていた。両眼の霧視が6か月前からあり,ぶどう膜炎として紹介受診した。矯正視力は右0.3,左0.8であった。両眼に前房の炎症細胞,硝子体混濁,眼底後極部を中心とする顆粒状白斑と静脈の白鞘化があり,右眼眼底の上方に広範な白色病巣があった。前房水からサイトメガロウイルスDNAが検出され,サイトメガロウイルス網膜炎と診断した。それまで使用中の副腎皮質ステロイドと免疫抑制薬を減量し,ガンシクロビルの投与で網膜炎は軽快したが,腎機能が悪化し透析が必要になった。腎移植後の日和見感染症としてのサイトメガロウイルス網膜炎の治療が困難であることと,他科との連携が必要であることを示した症例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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