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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科59巻6号

2005年06月発行

文献概要

特集 第58回日本臨床眼科学会講演集 (4) 学会原著

寄生虫関連が疑われたぶどう膜炎の臨床像

著者: 中西秀雄1 喜多美穂里1 大津弥生1 桐山直子1 雨宮かおり1 池口有紀1 河本知栄1 松本美保1

所属機関: 1大津赤十字病院眼科

ページ範囲:P.897 - P.901

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目的:寄生虫の関連が疑われるぶどう膜炎の臨床像の検討。対象:過去42か月間に寄生虫関連の免疫血清抗体が陽性であったぶどう膜炎12例12眼。結果:全例が片眼性で,年齢は19~74歳(平均37歳)であった。初診時の患眼視力は0.1~1.5(平均0.68)。複数抗原に対する陽性反応が6例にあった。硝子体混濁6例,眼底周辺部の肉芽腫と血管炎が各5例,滲出斑と好酸球増加が各4例,黄斑上膜が3例,牽引性網膜剝離と黄斑浮腫と黄斑変性が各2例にあった。副腎皮質ステロイド薬投与で80%に症状改善が得られた。硝子体手術は4例に行われ,3例で視力が2段階以上改善した。結論:寄生虫関連ぶどう膜炎は片眼性であり,周辺部肉芽腫や黄斑病変などの後眼部病変と好酸球増加を示し,副腎皮質ステロイド薬治療と硝子体手術に良好に反応するという特徴がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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