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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科59巻6号

2005年06月発行

文献概要

特集 第58回日本臨床眼科学会講演集 (4) 学会原著

若年者の潰瘍性大腸炎に合併した網膜静脈閉塞症の1例

著者: 須賀裕美子1 本間理加1 横地みどり1 岸章治1

所属機関: 1群馬大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.913 - P.916

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目的:潰瘍性大腸炎に併発した網膜中心静脈閉塞症症例の報告。症例と経過:20歳女性が5年前に潰瘍性大腸炎を発症し,寛解期に入っていた。2週間前からの右眼霧視で受診した。両眼に-13.5Dの近視があり,矯正視力は左右とも1.5であった。右眼に乳頭血管炎に伴うと推定される網膜中心静脈閉塞症があった。3か月後に囊胞様黄斑浮腫(CME)で視力が0.2に低下した。プレドニゾロンの全身投与,汎網膜光凝固などを行った。以後の2年間に潰瘍性大腸炎の再燃が3回あり,プレドニゾロンの増減を繰り返した。乳頭腫脹と囊胞様黄斑浮腫は次第に消退し,視力は0.7に向上した。結論:潰瘍性大腸炎の寛解期に発症した乳頭血管炎型の網膜中心静脈閉塞症は,初期はプレドニゾロンの増量に反応したが,その後は汎網膜光凝固が眼底所見の安定に有効であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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