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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科59巻6号

2005年06月発行

文献概要

特集 第58回日本臨床眼科学会講演集 (4) 学会原著

黄斑円孔術後にトリアムシノロンが中心窩に付着した1例

著者: 調枝聡治1 横山勝彦1 高木康宏1 古嶋正俊1

所属機関: 1大分大学医学部脳神経機能統御講座感覚運動医学分野・眼科学

ページ範囲:P.935 - P.937

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目的:黄斑円孔に対する硝子体手術後にトリアムシノロンが中心窩に付着した症例の報告。症例:69歳女性の右眼にstageⅢの黄斑円孔があった。矯正視力は右0.3,左0.6であった。超音波白内障手術と眼内レンズ挿入術を併用した硝子体手術を行い,トリアムシノロンアセトニド8mgを注入して後部硝子体剝離を誘発し,液空気置換をした。内境界膜剝離は行わず,インドシアニングリーンも使用しなかった。術直後からトリアムシノロンが付着していたが,40日後に消失した。黄斑円孔は閉鎖し視力1.0に回復した。手術から9か月後の現在,検眼鏡と光干渉断層計(OCT)による所見に変化はない。結論:黄斑円孔への硝子体手術後にトリアムシノロンが中心窩に付着していても,円孔の閉鎖や視力改善に悪影響はなかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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