特集 第58回日本臨床眼科学会講演集 (4)
学会原著
正常眼圧緑内障におけるラタノプロスト単剤変更1年後の眼圧,視野,視神経乳頭形状の検討
著者:
緒方博子12
庄司信行2
清水公也3
高瀬正郎4
有本あこ5
中澤伸子6
鈴木宏昌3
冨岡敏也1
所属機関:
1武蔵野赤十字病院眼科
2北里大学医療衛生学部視覚機能療法学
3北里大学医学部眼科教室
4埼玉医科大学総合医療センター眼科
5神奈川歯科大学付属横浜クリニック
6同愛記念病院眼科
ページ範囲:P.943 - P.947
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正常眼圧緑内障15例25眼につき,それまでのラタノプロスト以外の眼圧下降薬をラタノプロスト単剤に変更し,1年後の眼圧,視野,乳頭の形状を計画的に検索した。被検者の年齢は42~82歳(平均68歳)であった。視野測定にはハンフリー視野計,乳頭の形状測定にはHeidelberg Retina Tomographを用いた。眼圧はbaseline値が15.1±2.6mmHgであり,変更1年後の値が13.4±2.2mmHgで有意に下降した(p<0.01)。視野ではmean deviation値が有意に改善した。乳頭の形状には各パラメータに有意な変化がなかった。ラタノプロストは正常眼圧緑内障に対して有意な眼圧下降効果があり,少なくとも1年間は視野と乳頭の形状につき現状維持ができると結論される。