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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科59巻7号

2005年07月発行

文献概要

特集 第58回日本臨床眼科学会講演集 (5) 学会原著

サルコイドーシスぶどう膜炎に対する硝子体手術

著者: 井上留美子1 田口千香子1 浦野哲2 河原澄枝1 原善太郎1 中村宗平1 吉村浩一1 疋田直文1 山川良治1

所属機関: 1久留米大学医学部眼科学教室 2公立八女総合病院眼科

ページ範囲:P.1047 - P.1051

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目的:サルコイドーシスに併発したぶどう膜炎に対する硝子体手術の報告。対象と方法:過去10年3か月間に硝子体手術を行った20例26眼を対象とした。男性1眼,女性19例25眼で,年齢は21~74歳,平均58歳である。手術の適応は,囊胞様黄斑浮腫(CME)14眼,黄斑上膜5眼,硝子体混濁4眼,硝子体出血3眼である。全例に経扁平部硝子体手術を行い,有水晶体眼21眼中19眼には白内障同時手術を行った。結果:術後視力は18眼(69%)で2段階以上改善し,7眼(27%)で不変,1眼(4%)で低下した。23眼(89%)が最終視力0.1以上,13眼(50%)が0.5以上であった。14眼中12眼でCMEが再発または残存した。これら14眼中10眼でトリアムシノロンを使用した。その使用,不使用はCMEの再発または残存に差がなかったが,使用例すべてでCMEが消失し,2眼で再発がなかった。結論:サルコイドーシスに併発したぶどう膜炎に対し,硝子体手術は概して有効であったが,高頻度でCMEが再発した。これに対する対策が今後の課題である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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