文献詳細
特集 第58回日本臨床眼科学会講演集 (5)
学会原著
文献概要
目的:自験例に基づき眼サルコイドーシスの予後を検索すること。対象と方法:過去22年間に当眼科を受診し,組織学的にサルコイドーシスの診断が確定した219例438眼を対象とした。91例182眼で5年間以上の経過観察ができた。視力予後に関係する因子,眼炎症の遷延化に関連する因子,重症サルコイドーシスに関連する眼病変について多変量解析を行った。結果:眼炎症の発症は438眼中266眼(60.7%)にあった。最終視力と最も強く関係した因子は初診時視力であった。眼炎症は43.6%で遷延化し,高齢,眼外病変の合併,副腎皮質ステロイドの全身投与が有意な遷延化因子であった。眼炎症の寛解例では89%が3年以内に寛解し,これ以後の消失は稀であった。眼外病変による重症サルコイドーシスでは眼病変がある例が多かった。結論:予後因子の解析はサルコイドーシスの病態を考える上で重要である。
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