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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科59巻7号

2005年07月発行

文献概要

特集 第58回日本臨床眼科学会講演集 (5) 学会原著

広範囲の網膜有髄神経線維に発症した網膜剝離

著者: 渡辺朗1 神前賢一1 伊藤正臣1 保坂大輔1 月花環1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1095 - P.1098

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目的:広範囲の網膜有髄神経線維がある眼底に発症した網膜剝離2例の報告。症例:38歳男性と43歳女性。男性例には右眼-11D,左眼-14Dの近視があった。左眼に扇状に広がる広範囲の網膜有髄神経線維があり,その両端に網膜裂孔が生じ,網膜剝離になった。硝子体手術で網膜が復位したが,有髄神経線維のある網膜と硝子体との癒着が強かった。女性例は幼少時より右眼視力が不良であった。視力がさらに低下し,黄斑円孔による網膜全剝離が発見された。4象限のそれぞれの方向に扇状の有髄神経線維があった。硝子体手術で網膜が復位したが,有髄神経線維のある網膜と硝子体との癒着が強かった。術後の眼軸長は右眼28.2mm,左眼24.3mmであった。結論:網膜有髄神経線維のある部位と硝子体との癒着が強固であり,網膜硝子体境界面に器質的変化があることが想定される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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