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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科59巻7号

2005年07月発行

文献概要

特集 第58回日本臨床眼科学会講演集 (5) 学会原著

両眼に胞状網膜剝離をきたした腎性網膜症の1例

著者: 北口善之1 斉藤喜博1 中江一人1 阪本吉広1 濱中紀子1 西田健太郎1 高橋睦1 岡田康平2 塩谷易之3

所属機関: 1国立病院機構大阪医療センター眼科 2高槻赤十字病院眼科 3大阪中央病院眼科

ページ範囲:P.1119 - P.1123

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目的:両眼に胞状網膜剝離が生じた腎性網膜症の症例報告。症例と経過:27歳女性が3か月前からの両眼の視力低下で受診した。3年前にネフローゼ症候群から糸球体硬化症と診断され,プレドニゾロンを8か月前まで内服していた。矯正視力は右眼0.02,左眼0.01。両眼の網膜に線状・火炎状出血,星芒状白斑,滲出,乳頭浮腫,広範な胞状網膜剝離があった。蛍光眼底造影で脈絡膜充盈欠損があり,その付近の網膜色素上皮と乳頭から色素漏出があった。腎不全,貧血,180/140mmHgの高血圧があり,血液透析を開始した。全身状態の改善に伴い網膜剝離と浮腫などが改善した。5か月後に右眼0.2,左眼0.15の矯正視力を得た。結論:重篤な胞状網膜剝離の原因として,腎不全のほか,高血圧と副腎皮質ステロイド薬の内服による網膜色素上皮障害が関与した可能性がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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