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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科59巻7号

2005年07月発行

文献概要

特集 第58回日本臨床眼科学会講演集 (5) 学会原著

脈絡膜腫瘍像を呈した後部強膜炎の1例

著者: 横山勝彦1 木許賢一1 古嶋正俊1 中塚和夫1 今泉雅資1

所属機関: 1大分大学医学部脳神経機能統御講座感覚運動医学分野眼科

ページ範囲:P.1153 - P.1156

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66歳女性の右眼に変視症と飛蚊症が生じ,眼底に隆起性病変が発見された。脈絡膜腫瘍の疑いで,病状自覚から4週後に紹介され受診した。矯正視力は右眼0.8,左眼1.2であり,右眼眼底の右上方に,褐色の隆起性病変があった。大きさは5乳頭径×5乳頭径であり,脈絡膜皺襞と滲出性網膜剝離を伴っていた。超音波Bモードと光干渉断層計(OCT)で網膜下の隆起性病変が描出された。磁気共鳴画像検査(MRI)は腫瘤が眼内にあることを示した。初診から17日後にMRIで腫瘤は縮小化し,2か月後には腫瘤は消失していた。その6週後に右側頭部痛と右変視症が生じた。血沈が亢進し,CRPが陽性であるために側頭動脈炎と診断された。プレドニゾロンの大量療法が奏効した。後部強膜炎が脈絡膜腫瘍の原因であると推定した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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