特集 第58回日本臨床眼科学会講演集 (6)
学会原著
網膜剝離を伴う未熟児網膜症に対する硝子体手術
著者:
藤井清美1
日下俊次2
下條裕史3
大下貴志1
喜田照代4
岩橋佳子4
張野正誉4
初川嘉一5
所属機関:
1大阪府立急性期・総合医療センター眼科
2大阪大学大学院医学系研究科感覚器機能形成学
3大阪大学大学院医学系研究科感覚器外科学
4淀川キリスト教病院眼科
5大阪府立母子保健総合医療センター眼科
ページ範囲:P.1293 - P.1297
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目的:重症未熟児網膜症に対する硝子体手術の評価。症例:過去3年間に硝子体手術を行った未熟児網膜症9例14眼を対象とした。在胎期間は23~27週,出生時体重は466~1,055g(平均657g)であり,初回手術時の月齢は3~12か月(平均5.3か月)であった。網膜症は2眼が4B期,12眼が5期であった。13眼にはclosed vitrectomy,角膜混濁がある1眼にはopen-sky vitrectomyを行った。結果:網膜の復位は7眼(50%)で得られ,すべて初回手術後であった。7眼では復位しなかった。結論:重症未熟児網膜症への硝子体手術で50%の復位率が得られた。さらに改善の必要があるが,硝子体手術は網膜剝離を伴う未熟児網膜症に有用である。