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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科59巻8号

2005年08月発行

文献概要

特集 第58回日本臨床眼科学会講演集 (6) 学会原著

輪状締結したシリコーンバックルが上直筋を侵蝕し脱出した1例

著者: 木下太賀1 櫻井寿也1 竹中久1 真野富也1 前野貴俊2

所属機関: 1多根記念眼科病院 2大阪医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1321 - P.1324

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69歳男性の右眼網膜剝離に対して手術を行った。裂孔は11時~1時の赤道部にあった。輪部の2mm後方で結膜を全周切開した。硝子体を切除し硝子体腔を空気で置換した。裂孔部に冷凍凝固を行い,10時から4時まで幅6mmのシリコーンバックル(MIRA,#220SB)を強膜に縫着した。さらに幅2.5mmのシリコーンバンド(#240EB)を4時と8時の強膜トンネルに通し輪状締結した。20%のSF6ガスを硝子体腔に注入し手術を終えた。網膜剝離は復位し,眼圧は13mmHg以下に維持されていた。約6年後に,10時~2時の範囲にシリコーンバックルがシリコーンバンドとともに結膜外に露出した。除去手術のとき上直筋は萎縮し,視認できなかった。磁気共鳴画像検査(MRI)で上直筋と強膜が癒着していた。シリコーンバックルが前方に偏位し上直筋を侵蝕したと考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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