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特集 第58回日本臨床眼科学会講演集 (6) 学会原著
妊娠初期に網膜動脈分枝閉塞症をきたした1例
著者: 赤塚俊文1 朝比奈恵美1
所属機関: 1岡山中央病院眼科
ページ範囲:P.1329 - P.1332
文献購入ページに移動妊娠12週の31歳女性の右眼に網膜動脈分枝閉塞症が発症した。16か月前から黄体ホルモンと胎盤性性腺刺激ホルモンによる不妊治療を受けていた。矯正視力は右1.0,左1.2であり,右眼の網膜上半分が乳白色に混濁していた。C反応性蛋白と抗核抗体が陽性で,抗カルジオリピン抗体,プロテインC,ループス性抗凝固因子は正常範囲であった。下肢静脈エコー,心エコー検査は正常であった。黄体ホルモンのエストロゲン作用や胎盤性性腺刺激ホルモンの副作用として血栓形成と脳梗塞が挙げられている。今回の網膜動脈分枝閉塞症の発症に不妊治療薬が関与している可能性がある。
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