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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科59巻8号

2005年08月発行

文献概要

特集 第58回日本臨床眼科学会講演集 (6) 学会原著

網膜色素上皮下出血から生じた網膜色素上皮裂孔の2例

著者: 久保木香織1 永井由巳1 髙橋寛二1 正健一郎1 松村美代1

所属機関: 1関西医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1345 - P.1350

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出血性網膜色素上皮剝離(出血性RPE剝離)に網膜色素上皮裂孔(RPE裂孔)が続発した2症例を経験した。59歳女性と77歳男性で,いずれも片眼に発症した。初診時の矯正視力はそれぞれ0.8と0.15であった。1例は-4.0D,他の1例は-2.75Dの近視であった。2症例とも,当初は少量の出血性RPE剝離と網膜下出血があり,短期間で出血性RPE剝離が拡大しRPE裂孔になった。裂孔の色素上皮弁は2例とも中心窩側にあった。最終的に黄斑下の線維性瘢痕が形成され,視力はそれぞれ0.07と0.1になった。RPE裂孔形成の急性期の診断では蛍光眼底造影の価値は低く,検眼鏡による観察が重要であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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