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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科59巻8号

2005年08月発行

文献概要

臨床報告

Nd-YAGレーザーによる網膜前出血の治療

著者: 山下美恵1 伊東健1 西尾陽子1 田原昭彦1

所属機関: 1産業医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1397 - P.1401

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網膜前出血7例7眼に対して,Nd-YAGレーザーで後部硝子体膜を切開した。内訳は網膜細動脈瘤5眼と糖尿病網膜症2眼で,発症からレーザー照射までの期間は2~69日,平均16.7日であった。Peyman硝子体レンズを使い,Nd-YAGレーザーで後部硝子体膜を穿孔し,網膜前出血を硝子体腔内に拡散させた。レーザーの出力は4.0~7.0mJ,平均5.2mJであった。全例で後部硝子体膜が穿孔し,血液が硝子体腔内に拡散した。発症から2か月が経過した症例を含む6眼で,レーザー照射のみで視力が2段階以上改善した。1眼では硝子体切除術が必要であった。検眼鏡による観察で,網膜障害は皆無であった。Nd-YAGレーザーによる後部硝子体膜切開は,網膜前出血に対する有効な治療法の1つである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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