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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科59巻8号

2005年08月発行

文献概要

臨床報告

ガンシクロビルの硝子体注入が有効であった急性網膜壊死の1例

著者: 小林桃子1 市邊義章1 清水公也1

所属機関: 1北里大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1407 - P.1410

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60歳女性が4日前からの左眼充血,眼痛,視力低下で受診した。矯正視力は右眼1.2,左眼1.0であった。右眼には他覚的に異常がなく,左眼には強い毛様充血,角膜後面沈着物,硝子体に細胞があり,鼻側周辺の網膜に滲出性病変があった。第5病日に採取した前房水と硝子体から単純ヘルペスウイルスⅡDNAが検出され,特徴的な眼底病変と合わせ,急性網膜壊死と診断した。初診日から3日間アシクロビル静注を開始したが,硝子体混濁が強くなり,ガンシクロビルの硝子体注射を初診後2日目,5日目,11日目に行った。3回目の硝子体注射から硝子体混濁の減少が始まり,初診から85日後に視力が0.8に回復した。網膜電図では,b波がa波に先行して回復した。発病早期の急性網膜壊死にガンシクロビルの硝子体注射が奏効する可能性を示した症例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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