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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科59巻9号

2005年09月発行

文献概要

特集 第58回日本臨床眼科学会講演集 (7) 学会原著

内直筋に認められた胞巣状軟部肉腫

著者: 岩田健作1 手島靖夫1 山川良治1 久米慎一郎2 有馬信之2

所属機関: 1久留米大学医学部眼科学教室 2久留米大学医学部病理

ページ範囲:P.1489 - P.1492

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34歳男性が1年前からの左眼球結膜の腫瘤を主訴として受診した。左眼内直筋に相当する結膜下に12×10mmの境界明瞭な赤色で無痛性の腫瘤があり,周囲の上強膜血管が怒張していた。眼球運動などに異常はなかった。磁気共鳴画像検査(MRI)で腫瘤は境界が不明瞭であり,Gd造影で均一に淡く造影された。腫瘤は内直筋部に被膜で包まれるように存在し,手術時には内直筋と茎で連絡しており,全摘出できた。病理組織学的には,胞巣状構造を呈し,腫瘍細胞は大型類円形ないし多角形で,核には明瞭な核小体があった。PAS染色で,桿状または顆粒状の結晶がみられた。RT-PCRとDNA配列解析で,ASPL-TFE3キメラ遺伝子がみられ,胞巣状軟部肉腫と診断した。本疾患が眼窩に生じた稀有な例であり,遠隔転移が危惧されるが,摘出から2年後の現在まで再発または転移の徴候はない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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