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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科59巻9号

2005年09月発行

文献概要

特集 第58回日本臨床眼科学会講演集 (7) 学会原著

緊急手術を要した眼窩下壁骨折の1例

著者: 山口和子1 野田実香1 今野公士2 折原唯史2 出田真二13

所属機関: 1慶應義塾大学医学部眼科学教室 2杏林大学医学部眼科学教室 3聖隷浜松病院眼形成外科

ページ範囲:P.1511 - P.1514

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目的:外傷による眼窩壁骨折に対し,緊急手術を行った症例の報告。症例と経過:14歳,男子がクラブ活動中に喧嘩で右眼を殴打され,その直後に頭痛,嘔吐,右眼の高度の上下転障害が生じた。その翌日のCT検査で,右眼窩下壁が骨折し,下直筋の陰影が消失していた。右trapdoor型眼窩下壁骨折と診断し,受傷から27時間後に眼窩下壁骨折整復術を行った。眼窩下壁に眼窩下神経溝に沿う骨折線があり,下直筋は上顎洞に脱出し,絞扼されていた。脱出した組織を愛護的に整復し,骨膜を縫合した。眼球運動は正常化した。結論:若年者の眼窩壁骨折で,骨折線で筋肉が絞扼されている症例には緊急手術の適応がある。手術までの時間が短ければ組織の挫滅が少なく,機能が回復する可能性が大きくなる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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