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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科59巻9号

2005年09月発行

文献概要

特集 第58回日本臨床眼科学会講演集 (7) 学会原著

消化器癌術後数年経過して発症したビタミンA欠乏症の1例

著者: 松尾歩1 平岡孝浩1 高松俊行1 中野秀樹1 大鹿哲郎1

所属機関: 1筑波大学臨床医学系眼科

ページ範囲:P.1515 - P.1519

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大腸癌に対する広範囲腸切除後4年で発症したビタミンA欠乏による夜盲症の1例を経験した。症例は35歳男性。主訴は夜盲。既住歴として,家族性大腸ポリポーシスによる大腸癌があり,全結腸切除と小腸半切除を施行されていた。暗順応検査では最終閾値の上昇が認められ,網膜電図(ERG)では杆体反応が著明に減弱していた。また血清ビタミン値は7IU/dlと著しく低下していた。吸収障害によるビタミンA欠乏症と診断し,ビタミンAを1日3,000単位経口投与したところ,3日で自覚症状は改善した。治療開始6週後に行った暗順応検査では若干改善が認められたものの,網膜電図では明らかな改善はなかった。その後,本症例は癌転移による全身状態悪化のため死亡した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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