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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科59巻9号

2005年09月発行

文献概要

特集 第58回日本臨床眼科学会講演集 (7) 学会原著

小児白内障術後の無水晶体眼に発症した緑内障

著者: 中泉裕子1 坂本保夫1 山本奈未1 藤田信之1 高橋信夫1

所属機関: 1金沢医科大学感覚機能病態学(眼科学)

ページ範囲:P.1585 - P.1590

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目的:乳幼児に行った白内障手術後に続発した緑内障の報告。症例:2003年までの24年間に,18例27眼に白内障手術を行った。9眼は無水晶体眼とし,18眼には眼内レンズを挿入した。手術時の年齢は,生後3か月~15歳,平均7.4歳であった。結果:無水晶体眼のうち6眼(67%)に緑内障が起こった。うち1眼は手術の翌日に瞳孔ブロックによる高眼圧であり,他の5眼では続発緑内障が術後15.3±2.0年に発症した。緑内障の原因として,周辺虹彩前癒着,水晶体皮質の残留,術式の問題などが推定された。眼内レンズ挿入眼では,アトピー性皮膚炎に伴う白内障1例2眼(11%)に手術の8年後に高眼圧が生じた。結論:乳幼児の白内障手術では,緑内障の発症の危険性が大きい。眼内レンズ挿入の有無にかかわらず,長期の経過観察が望ましい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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