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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科59巻9号

2005年09月発行

文献概要

臨床報告 カラー臨床報告

大量の線維素析出を伴うぶどう膜炎を発症した潰瘍性大腸炎の1例

著者: 唐尚子1 南場研一1 村松昌裕1 高橋理美1 大野重昭1

所属機関: 1北海道大学大学院医学研究科視覚器病学分野

ページ範囲:P.1609 - P.1612

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29歳女性が左眼の充血と疼痛で受診した。2年前に潰瘍性大腸炎と診断され,副腎皮質ステロイド薬による治療を受けたことがある。矯正視力は右眼1.2,左眼光覚弁であった。右眼には病的所見はなく,左眼には毛様充血,前房に強い線維素滲出,虹彩後癒着があり,眼底は透見できなかった。副腎皮質ステロイド薬点眼などで,前部ぶどう膜炎は急速に軽快し,左眼視力は翌日0.3,1か月後に1.0になった。眼底と蛍光眼底造影所見は正常であった。初診から1年後の現在まで眼病変の再発はない。潰瘍性大腸炎に伴うぶどう膜炎は一般に軽症であるとされているが,劇症型もあることを本症例は示している。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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