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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科6巻10号

1952年10月発行

文献概要

臨床實驗

眼結核に對するイソニコチン酸ハイドラジッドの效果

著者: 大塚任1 大江ケイ子1

所属機関: 1東京醫齒大眼科

ページ範囲:P.773 - P.776

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 目下結核治療劑として學術報告より先に,新聞雑誌等に紹介されて世の視聽を集めた,Isonicot-inic acid hydrazideは1912年,オーストラリヤのHans Meyer及Josef Mallyによつて合成されていたが,近年Hoffman-La Roche及びSq-uibbの兩會社が各々獨立に本劑に抗結核作用があることを發見,昨年暮より兩會社共に人體實驗を開始したものと云われている。Roche會社ではこれをRimifon, Squibb會社ではNydrozidと命名し,又Roche會社ではHydrazideのiso-propyl誘導體をつくり,これをMarsilidと名づけた。兩者共に實驗日尚淺きにも拘らず先を爭つて發表したため,俄かに有名になつたものである。その藥效の實状については,我國に於ても次第に明らかになりつつあるが,眼結核に對する效果に關する報告は未だない。而して眼病はその經過を詳細に觀察出來る關係上,眼科醫は藥效の臨床試驗に極めて適しているにも拘らず,今度のハイドラジツドの效力調査委員會より眼科醫が除外されていることは甚だ殘念である。私共は山之内製藥より本劑の試供をうけ,4月以來この試驗に着手し,少數例ながら,一應の結論を得,本劑も一般に發賣されたので,ここに報告し,初めて使用される方の御參考に供したいと思う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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