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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科6巻11号

1952年11月発行

特集 眼科臨床の進歩Ⅰ

Hyaluronidaseの眼科的應用

著者: 淺山亮二1 岸本正雄1

所属機関: 1京大眼科

ページ範囲:P.886 - P.894

文献概要

第1章 Hyaluronidaseに就て(淺山)
 Hyaluronidaseは1928Duran-Reynals,1931Mc Leanに依つて牛睾丸から抽出せられ組織の透過性を充進せしめるものとして紹介せられたもので,擴散因子(Spreading factor)浸透因子(Diffusing factor)或はReynal's factorと呼ばれていた。其後1934Meyer & Runeは肺炎菌がHyaluronic acidを水解する酵素を有する事を知ったが,此酵素は相蹤いで葡萄状球菌,溶血性連鎖状球菌,ウエルシユ菌等に發見せられHyalu-ronidaseと命名せられた。1939に至つてChain& Duthieはヒアルロニダーゼは擴散因子と同一物であると發表し,其賛成者も現われた。兩者は多少の異る點も見られるが,略々同一視しても差支え無かろうと思われる。
 ビアルロニダーゼ(廣い意味に於て此名稱を使用するならば)は哺乳動物の睾丸に最も多く含まれ,粘液,脾,皮膚,虹彩,毛樣體等に含まれている。又肺炎双球菌,溶血性連鎖状球菌,葡萄状球菌,ウエルシユ菌,蛇毒にも含まれている。此酵素の作用は,ヒアルロン酸を水解してdepoly-merizeしAcetylhexoseamineを遊離しつつ粘稠度を低下せしめる。PH4.6〜4.7が最適であるとせられ,組織内壓亢進なる機械的刺戟が此作用を著しく促進する,或は必須條件であると謂われる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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