文献詳細
文献概要
特集 眼科臨床の進歩Ⅰ
レヂンチユーブによる慢性涙嚢炎手術とその後
著者: 市川健三1
所属機関: 1東大眼科教室印刷廳東京病院眼科
ページ範囲:P.906 - P.910
文献購入ページに移動前處置として念のため細菌の検査を行い,一應ペニシリン水溶液(1cc 2000單位位)で涙嚢洗滌を前日から行つて多少でも膿を少くしておく。リピョドール等の造影劑によるレ線撮影を行つたり,消息法を行つて鼻涙管の閉塞部を知つておく事は大切であるが,涙嚢の状態を知る簡單な方法として私は次の方法を行つている。即ち消息子で下涙點から眞直ぐに鼻骨へあてて,その硬軟の感じで涙嚢の肥厚状態を察し,次にアーネルの洗滌針を下涙點に輕く挿入し,上涙點を示指で抑え,中指を輕く涙嚢部に置き,洗滌液を注入すると,中指に反動が來るからその強弱によつて涙嚢内腔の大小を推察し,手術の難易を豫測する。勿論小涙管に狹窄又は閉塞があれば手術の適應外である。
掲載誌情報