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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科6巻11号

1952年11月発行

文献概要

特集 眼科臨床の進歩Ⅰ

網膜血管硬化と腦

著者: 樋渡正五1

所属機関: 1東京醫科齒科大學

ページ範囲:P.938 - P.947

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 老年になると自然と眼球各部に色々の老人性變化を起してくることは之即ち生理的現象であつて決して病的ではない。然し中にはその變化が高度で病的と見られる場合もあるので,ここに私は自分が過去數年間に亘り注目して來た老人約500名の眼の變化,殊に網膜血管硬化と,それの身體の他器官に於ける血管硬化殊に腦血管のそれとの相互の關聯性に就いて,自分の研究を中心として考察を進めてみたい。
 普通我々が老人の眼底を觀る場合,先ず氣付くのは網膜血管の太さであり走行であると共に之に伴う色々の交叉部現象や出血白斑である。勿論ここに言う老人は所謂高血壓者をも含めた一般老人全體をさすから,この中には必然的に腎性,本態的高血壓者も含まれることは當然である。全身高血壓と網膜血管硬化像を論じたVolhard,Schieck,小柳,菅沼や,高年者の網膜血管像を論じた中泉,小松によつても明らかな通り,網膜血管硬化の状態は輕度から高度硬化迄數段階に分けることが出來るがその主なる變化は検眼鏡的には次の樣に觀察される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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