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特集 眼科臨床の進歩Ⅰ
網膜血管硬化と腦
著者: 樋渡正五1
所属機関: 1東京醫科齒科大學
ページ範囲:P.938 - P.947
文献購入ページに移動普通我々が老人の眼底を觀る場合,先ず氣付くのは網膜血管の太さであり走行であると共に之に伴う色々の交叉部現象や出血白斑である。勿論ここに言う老人は所謂高血壓者をも含めた一般老人全體をさすから,この中には必然的に腎性,本態的高血壓者も含まれることは當然である。全身高血壓と網膜血管硬化像を論じたVolhard,Schieck,小柳,菅沼や,高年者の網膜血管像を論じた中泉,小松によつても明らかな通り,網膜血管硬化の状態は輕度から高度硬化迄數段階に分けることが出來るがその主なる變化は検眼鏡的には次の樣に觀察される。
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