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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科6巻13号

1952年12月発行

文献概要

綜説

早期並に晩期梅毒の治療

著者: 谷奧喜平1

所属機関: 1東大皮膚科

ページ範囲:P.1085 - P.1095

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 1909年Ehrlichがサルワルサンを發見する迄は驅梅療法の主劑は水銀と沃度であつた。
 1910年以後はサルワルナン,水銀,沃度の併用が用いられ,1921年Levaditi et Sazeracが蒼鉛劑を梅毒治療に導入して以來,漸次之が水銀劑にとつて代る樣になつた。1932年Tatum et Cooperがマフアルセンを驅梅劑として推奬して以來,サルワルサン劑との比較が一齊に論じられて居るが,1952年−1944年迄は驅梅療法の主役はサルワルサン,マフアルセンで,從位として蒼鉛劑が擧げられて居た。1943年早期梅毒に對するペニシリンの成功がMahoney et Arnoldにより報告され,1948年O'Leary et alがオーレオマイシンが梅毒治療に於て秀れた價値があると發表し,次いでクロロマイセチン,テラマイシンが提供され,一定の效果があることが認められた。以上の如くこの10年間そこそこの間に梅毒治療は革命的進歩を遂げた。即ち米國ではペニシリンが驅梅劑の中心的役割を演じ,從來の砒素剤は寧ろ補助的手段に過ぎないかの如き樣相を示している。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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