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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科6巻13号

1952年12月発行

文献概要

銀海餘滴

最近の結核治療

著者: 島村喜久治1

所属機関: 1別立療養所清獺病院

ページ範囲:P.1095 - P.1095

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イソニコチン酸ヒドラジッド
 春以來大さわぎをされたイソニコチン酸ヒドラヂッドは研究が續けられて,日本の成績が9月中旬發表された。之はストレプトマイシン位は效くが決して手術を不要にしたりする藥ではない。日本の研究協議會成績では,550人以上の患者に使つてみて,何とか效果のあつた人は約3分の1であり,勿論治つた人はない。アメリカの報告とまるで違つた點はこの藥に著明な抵抗性が出來る事である。2月から3月使うと最初の1週體重キロあたり1ミリ,2週目2ミリ,3週以後4ミリ等の使い方では70%位の人に抵抗性が出來る。即ち最初1カ月はよく效いて諸症状が輕快するが,1月半2月,3月となるにつれて,いろいろな症状が惡化し始める。耐性檢査を調べるとこの時出來始めてる事が多い。
 そこで,イソニコチン酸ヒドラヂットは單獨で使う時は5〜6週でやめた方がよい。然しそれでは效果が少いから長く使う爲には,ストレプトマイシンがパスとの併用で4カ月使える樣に,他の藥との併用が考えられねばならぬ。然しストレプトマイシン以上の藥ではない樣だから,併用が成功したとしても,肺部分切除が治療の體系を變更した程のものはないだろう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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