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特集號 第5回關東甲信磐越眼科集談會 普通講演
(47)外眼部症状を伴うSarcoid (Boeck)の1例
著者: 上岡輝方1 佐藤守2 桑原季六3
所属機関: 1秦野赤十字病院眼科 2秦野赤十字病院内科 3秦野赤十字病院外科
ページ範囲:P.197 - P.204
文献購入ページに移動Ssrcoidosis或はBoeckのSarcoidと言われるものは主として皮膚,骨,肺,リンパ組織,眼耳下腺及涙腺等に表われる慢性の,そして比較的良性の原因不明な肉芽腫とされ,進行性であると共に,特發的に輕快することがあるのがその特徴とされている。然して,その組織像は結核に類似して居り最近に至り特に注目されるに至つたものである。此の病氣には,Besnier及Sahaumann氏病,Mylius-Schurmann氏病,良性リンパ肉芽腫症,僞結核症,Paratuberculosis等の種々の別名があり此等の多くの別名の中で,恐らく最も多く記載されているのは,リンパ肉芽腫である。何となれば此の病氣は臨床的にホヂキン氏病によく似ているからである。1940年GilbertはHee-rfordtのuveo-parotid feverやミクリッツ氏症候群を検討して從來報告されたuveoparotid fe-verの大部分とミクリッツ氏症候群のあるものはBoeckのSarcoidではないかと言つている。
此の疾患を最初に報告したのは1869年Hutchi-nsonであり,ついで1899年にBoeckがこれを皮膚に於て觀察し,初めて組織的検索を行つた。更に1889年Besnierはそれをlupus pernioと呼稱した。
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