文献詳細
特集號 第5回關東甲信磐越眼科集談會
普通講演
文献概要
緒言
ペニシリンを梅毒の治療に用うる事は,他科,殊に皮膚泌尿器科方面では盛に行われており,現在では砒素・水銀・蒼鉛剤等に代つて最有力な驅梅藥となりつつあり,早期梅毒は勿論,晩期及び発天梅毒等も血清反應を陰性化しうる事が報告されている。然し,眼科にみる先天梅毒である「ビ慢性角膜實質炎」等に於ては,他科にみる梅毒より,感染後長年月を經ている爲か,從來の驅梅藥を以てしても,又ペニシリンを用いても,之をSeronegativにする事は不可能な現状である。私達はペニシリンを用いた場合,輕度乍らその血清反應に變動を起しうる事より,之を更に大量使用すれば,或は之をSeronegativにしうるのではないかと考えて,ペニシリン大量注射による之等限梅毒の治療を計劃した。かかる方法でこの不治の梅毒を治癒せしめる事は,内外何れに於ても成功しておらず,患者にとつても大なる幸福であり,學問的にも大なる進歩をもたらすものである。
ペニシリンを梅毒の治療に用うる事は,他科,殊に皮膚泌尿器科方面では盛に行われており,現在では砒素・水銀・蒼鉛剤等に代つて最有力な驅梅藥となりつつあり,早期梅毒は勿論,晩期及び発天梅毒等も血清反應を陰性化しうる事が報告されている。然し,眼科にみる先天梅毒である「ビ慢性角膜實質炎」等に於ては,他科にみる梅毒より,感染後長年月を經ている爲か,從來の驅梅藥を以てしても,又ペニシリンを用いても,之をSeronegativにする事は不可能な現状である。私達はペニシリンを用いた場合,輕度乍らその血清反應に變動を起しうる事より,之を更に大量使用すれば,或は之をSeronegativにしうるのではないかと考えて,ペニシリン大量注射による之等限梅毒の治療を計劃した。かかる方法でこの不治の梅毒を治癒せしめる事は,内外何れに於ても成功しておらず,患者にとつても大なる幸福であり,學問的にも大なる進歩をもたらすものである。
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