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臨床實驗
各種疾患に於ける前房隅角鏡檢査所見(1)—小角膜,胎生環,白内障,水晶體偏位,弱視及び眼球振盪を合併する両側先天性無虹彩症
著者: 大野泰治1
所属機関: 1九州大學醫學部眼科教室
ページ範囲:P.259 - P.263
文献購入ページに移動緒言
先天性無虹彩症並にその合併症に關する記載は少くなく,種々の興味ある知見が詳細に記述報告されている。本奇形の實相究明に必要缺く可からざる前房隅角部附近の變化は,從來剖検に依つてのみ認められていたが,近年は優秀な隅角鏡の出現により,生體眼で容易に且つ詳細に認められるようになつた。併し我國では本奇形の前房隅角鏡所見に就ての報告は私の調べた範園では皆無であつて,外國でも1941年Sugar氏の2例1943年Moreu氏の1例,1948年Troncoso氏の2例等に過ぎず,その數は甚だ少い。私は最近教室の廣石氏と共に手持双眼前房隅角鏡(第1圖)を完成し,これとKoeppe氏舊型接眼レンズを用い,先天無虹彩眼の前房隅角を検する機會を得たので,ここに報告する次第である。自作隅角鏡は双眼角膜顯微鏡を手持とし,これに照明装置を取付けたものて,光源には4.5乃至6V電球に集光レンズ2個を用い,この焦點距離を顯微鏡のそれと一致せしめた,顯微鏡の倍率は15乃至30倍とした。
第2圖は私の検した正常前房隅角の擴大所見を同所の組織學的所見に比較した模型圖である。(各部の所見は省略)。
先天性無虹彩症並にその合併症に關する記載は少くなく,種々の興味ある知見が詳細に記述報告されている。本奇形の實相究明に必要缺く可からざる前房隅角部附近の變化は,從來剖検に依つてのみ認められていたが,近年は優秀な隅角鏡の出現により,生體眼で容易に且つ詳細に認められるようになつた。併し我國では本奇形の前房隅角鏡所見に就ての報告は私の調べた範園では皆無であつて,外國でも1941年Sugar氏の2例1943年Moreu氏の1例,1948年Troncoso氏の2例等に過ぎず,その數は甚だ少い。私は最近教室の廣石氏と共に手持双眼前房隅角鏡(第1圖)を完成し,これとKoeppe氏舊型接眼レンズを用い,先天無虹彩眼の前房隅角を検する機會を得たので,ここに報告する次第である。自作隅角鏡は双眼角膜顯微鏡を手持とし,これに照明装置を取付けたものて,光源には4.5乃至6V電球に集光レンズ2個を用い,この焦點距離を顯微鏡のそれと一致せしめた,顯微鏡の倍率は15乃至30倍とした。
第2圖は私の検した正常前房隅角の擴大所見を同所の組織學的所見に比較した模型圖である。(各部の所見は省略)。
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