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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科6巻4号

1952年04月発行

文献概要

臨床實驗

Morax-Axenfeld菌(Petit型)の研究

著者: 岩重陽三1

所属機関: 1熊大眼科

ページ範囲:P.311 - P.314

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 1896年Morax,次いでAxenfeldは,いわゆるM-A菌を發見した。1898年Petitは3例の匐行性角膜潰蕩の症例からM-A菌と極めて類似した菌を分離した。
 Petitの研究によるとこの菌は次の樣な點でM—A菌と相達していた。1) M-A菌に比べて稍々短い。2)普通寒天に室温で發育する。3)腹水寒天上の集落はM-A菌の場合の樣に中心窩を有しない。4)ゲラチンを液化する。5)眼瞼炎よりも角膜潰傷面から證明されることが多い。以上の性質の中ゲラチンを液化するということは著しい特徴と考えられ,以來本菌はDiplobacille liq-uéfiant (Petit)と呼ばれる樣になつた。その後多くの人の研究により,本菌が角膜潰瘍をおこし,M-A菌は眼瞼結膜炎をおこすということは必ずしも一般性をもつていないこと,集落の形態もM—A菌とPetit菌との絶對的の區別でないことが明らかにされた。またErdmann'(1950)(3)は普通寒天によく生える株(即ちPetit型と思われる)を點眼して結膜炎を發病させた例を報告した。そこでM-A菌とPetit菌との間の相達がどの程度の絶對性を持つているものであるかということ,即ちM-A菌とPetit菌とは條件によつては互に移行し得るものであるかどうかという研究が多くの人によつて行われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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