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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科6巻7号

1952年07月発行

文献概要

臨床實驗

ペニシリンが奏效した原田氏病の1例

著者: 久冨良次1

所属機関: 1國立霞ヶ浦病院

ページ範囲:P.538 - P.539

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まえがき
 原田氏病の原因本態に就ては種々の學説があるが,今日の處未だ不明というより外はない。興味を覺えるのは,高橋實氏(1930)が動物實驗の結果からヘルペス病原體の如き或る一種未知の濾過性病原體による全身疾患ではないかとの説を立てたことと,原田氏病と病理組織學的所見が酷似する交感性眼炎に對して生井浩氏は本年の日眼總會宿題報告に於て,萄萄膜のクロマトフオーレンに親和性のあるヴィールスを想定するという説を立てたことで,外傷の有無を除いては,兩疾患は原因論的にも極めて近い關係にあるのではないかとも考えられる。
 原田氏病に對する治療の最近の傾向として,結核アレルギー説の立場からストレプトマイシンが試用され,又,ヴイールス説の立場からサルフア劑やオーレオマイシンの效果が報ぜられている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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