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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科6巻7号

1952年07月発行

外文抄録

後頭葉症候群に就いて

著者: 菅野重道1

所属機関: 1國立國府台病院精神科

ページ範囲:P.580 - P.582

文献概要

 視器,聽器,味覺器,嗅覺器等の特殊感覺器の上に現れる機能障碍は神經疾患の診斷上重要な意義を有し,精神神經病醫は常に眼科醫,耳鼻科醫と密接な關係になければならない。又精神神經病醫は眼科及び耳鼻科についての知識を知る必要があると共に,眼科醫,耳鼻科醫は夫々視覺,聽覺,味覺等の上に現れる症状について神經病學の知識を持つて居らねばならない。それは中村教授の眼内科學に於て神經系疾患は重要な部分を占めているのを見ても明かである。衆知の如く視力,視覺の問題は單に視器のみの問題でなく,中樞殊に後頭葉の問題と深く關連している事から私は茲に後頭葉症候群についての文献としてKrollのDie neuropathologischen Syndrome1929を紹介する次第である。此の本は精神神經科醫には廣く知られており,度々引用されているが私は1精神神輕科醫として此の機會に一般眼科醫の人達にも,神經科,眼科の境界領域に向つてあらためて注目して戴きたいと考える。既に眼科の方でも此の方面に興味を持つて読んだ方もあると思うが兎に角ここではその中の後頭葉症候群としてKrollがあげている部分を以下紹介する。
 先づ後頭葉の内側にある鳥距領域Calcarinaの障碍に依つて現れる症状について述べている。有線領域は鳥距領域(Bromannの17領野,Economo及びKoskinasのOC)が破壞されると半盲症の形を示し,兩鳥距領域の損傷では兩側性の半盲症を見る。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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