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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科60巻1号

2006年01月発行

文献概要

臨床報告

眼窩扁平上皮癌の1例

著者: 本田晃大1 花園元1 野田実香1 白石淳一2 植松稔3 川名浩一郎4

所属機関: 1慶應義塾大学医学部眼科学教室 2慶應義塾大学病院病理診断部 3慶應義塾大学医学部放射線治療科 4京島眼科クリニック

ページ範囲:P.33 - P.36

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目的:球結膜に原発したと推定される眼窩扁平上皮癌1例の報告。症例:79歳女性。3歳のとき外傷で右眼が失明し,25歳のときから義眼を装用していた。最近,上眼瞼に腫瘤が生じ,義眼が入らなくなった。生検で高分化型扁平上皮癌と診断された。画像検査で右眼窩に腫瘤があり,腫瘤と眼球を摘出した。腫瘤の断端が病理診断で陽性であり,術後に総量46 Gyの放射線照射を行った。結果:手術から9か月後の現在まで再発がなく,経過は良好である。結論:眼窩扁平上皮癌の治療では,まず腫瘍を全摘し,断端が陽性であれば放射線照射を併用することが有用である。

参考文献

1)Shields JA, Bakewell B, Augsburger JJ:Classification and incidence of space-occupying lesions of the orbit:a survey of 645 biopsies. Arch Ophthalmol 120:1606-1611, 1984
2)柏井 聡・本田孔士:症状と診断の流れ.眼科診療プラクティス50(眼科で診る腫瘍性疾患):2-5,1999
3)武田篤也・茂松直之・伊東久夫:眼および眼窩.大川智彦・佐々木武仁・田中良明(編):癌・放射線療法2002.455-464,篠原出版,2002
4)Campanella PC, Goldberg SH, Erlichman K et al:Squamous cell tumors and ocular prostheses. Ophthal Plast Reconstr Surg 14:45-49, 1998

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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