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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科60巻1号

2006年01月発行

文献概要

臨床報告

緑内障患者の点眼薬への意識

著者: 小林博1 岩切亮1 小林かおり1 沖波聡1

所属機関: 1佐賀大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.37 - P.41

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目的:緑内障患者の点眼薬についての意識調査。方法:大学病院に通院している開放隅角緑内障患者から無作為に選んだ168名を面接法で調査した。男性42%,女性58%で,年齢は21~84歳(平均61歳)であった。結果:点眼薬剤数は平均2.7種で,点眼回数は平均4.2回であった。緑内障治療の重要な目標が視機能の維持であると82%の患者が答えた。緑内障治療では眼圧下降が重要であると71%の患者が答えた。日常生活に支障を及ぼす副作用がないことが次に挙げられた。使用中の薬剤名は19%の患者が正解した。54%が点眼瓶の蓋の色と形で点眼薬を識別していた。結論:緑内障患者の多くが点眼による眼圧下降の意義を理解し,点眼の副作用で日常生活に支障がないことを重視している。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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