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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科60巻1号

2006年01月発行

文献概要

臨床報告

ステロイド薬使用中に突発した滲出性網膜剝離を伴う網脈絡膜炎の1例

著者: 福田宏美1 越後希1

所属機関: 1大阪北逓信病院眼科

ページ範囲:P.79 - P.83

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68歳男性の右眼に滲出性網膜剝離を伴う網脈絡膜炎が突発した。3年前から充血と眼痛が右眼にあり,副腎皮質ステロイド薬と抗菌薬の点眼をしていた。12か月前から虹彩炎に対しプレドニゾロンを内服していた。抗菌薬をレボフロキサシンからノルフロキサシンに替えた数日後に網脈絡膜炎が発症し,当科を受診した。右眼の矯正視力は0.1であり,眼底に網膜血管炎,乳頭浮腫,胞状の網膜剝離があった。治療により眼底病変は軽快したが,最終視力は光覚弁になった。副腎皮質ステロイド薬の長期内服の結果として免疫不全状態になり,内因性細菌性網脈絡膜炎が発症した可能性がある。

参考文献

1)田川義継:日和見感染.北野周作:図説眼感染症.8-9,メディカルトリビューン,東京,1989
2)阿部達也:細菌性眼内炎.臨眼 57:236-239,2003
3)富田 実・戸部隆雄・安藤 彰・他:体表部の化膿巣から生じた内因性眼内炎の2例.臨眼53:1605-1609,1999
4)三輪正人・加藤祐造・細田源浩・他:未熟児におけるメチシリン耐性ぶどう球菌血症になった内因性眼内炎.臨眼 44:1155-1159,1990
5)松田 理・永江康信・山本修司・他:MRSAによる内因性眼内炎の1例.眼科 42:113-116,2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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