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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科60巻10号

2006年10月発行

文献概要

特集 第59回日本臨床眼科学会講演集 (8)

初回バックリング手術非復位例の検討

著者: 椎名慶子1 清川正敏1 葉田野宜子1 佐久間俊郎1 溝田淳1 田中稔1

所属機関: 1順天堂大学浦安病院眼科

ページ範囲:P.1753 - P.1755

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要約 目的:強膜バックリングを初回手術として受け,復位が得られず再手術を必要とした症例の検討。対象と方法:裂孔原性網膜剝離に対し,過去5年間に強膜バックリング手術が335例344眼に行われた。うち初回手術で復位が得られなかった59例60眼を検討の対象とした。内訳は男性41眼,女性19眼で,年齢は13~84歳(平均43歳)である。結果:円孔例よりも裂隙例で再手術が多かった(p<0.01)。網膜下液の排液を行わなかった例よりも行った例で再手術が多かった(p<0.05)。最終的に344眼中340眼(99%)で復位が得られた。復位しなかった4眼中1眼では裂孔が上方にあり,3眼では下方にあった。結論:網膜下液の排液が必要な裂孔原性網膜剝離に対する強膜バックリングでは,手技の改善と,下方裂孔または円孔に対する適切な処理が望ましい。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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