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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科60巻10号

2006年10月発行

文献概要

特集 第59回日本臨床眼科学会講演集 (8)

胞状網膜剝離および脈絡膜剝離を呈した急性骨髄性白血病の1例

著者: 鎌尾浩行1 坂井譲1 加藤夕紀子1 西村昌之1 桐生純一1 和田秀穂2

所属機関: 1川崎医科大学眼科学教室 2川崎医科大学血液内科学教室

ページ範囲:P.1781 - P.1785

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要約 目的:胞状網膜剝離と脈絡膜剝離を契機として白血病の再発が発見された1例の報告。症例:48歳女性が右眼視力低下で受診した。2年前に急性骨髄性白血病と診断され,同種造血幹細胞移植を受け寛解中であった。所見と経過:矯正視力は右0.5,左1.5であり,他に異常所見はなかった。1週間後,右眼視力が手動弁に低下し,非裂孔原性網膜剝離と全脈絡膜剝離が生じた。血液と骨髄検査で白血病の再発と診断し,全身的に化学療法,網膜剝離には放射線照射を行った。2か月後に網膜剝離は消失したが,視力は光覚弁のままであった。結論:白血病の再発時に網膜剝離や脈絡膜剝離が発症することがあり,診断と治療に留意する必要がある。

参考文献

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8)飯野直樹・久保田芳美・渡辺 博・他:悪性リンパ腫の寛解期に生じた浸潤性視神経症.臨眼52:1051-1054,1998

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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