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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科60巻10号

2006年10月発行

文献概要

特集 第59回日本臨床眼科学会講演集 (8)

淋菌による眼瞼蜂巣炎の2例

著者: 波木京子1 徐汀汀1 滝澤葉子1 田宮優子1 中島秀登1 椎名慶子1 本田美樹1 佐久間俊郎1 葉田野宜子1 清川正敏1 溝田淳1 田中稔1

所属機関: 1順天堂大学浦安病院眼科

ページ範囲:P.1791 - P.1793

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要約 目的:淋菌による眼瞼蜂巣炎2症例の報告。症例:2例とも男性で,年齢は28歳と32歳である。膿性の眼脂を伴う片眼の眼瞼腫脹が急性に発症し,CT検査で眼瞼蜂巣炎と診断された。通常の抗生物質による治療が奏効せず,その後に眼脂塗抹培養で淋菌が検出された。感受性試験でニューキノロン系に対し中間または耐性を示した。セフェム系薬剤に変更し,それぞれ8日と11日で寛解した。両症例とも尿路感染症状はなかった。結論:尿路感染症状がなくても淋菌による眼瞼蜂巣炎が発症することがあり,注意が肝要である。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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