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特集 手術のタイミングとポイント Ⅲ.網膜・硝子体
アトピー性網膜剝離の術前評価と術式の選択
著者: 三木大二郎1
所属機関: 1杏林大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.178 - P.182
文献購入ページに移動はじめに
近年,アトピー性皮膚炎の増加に伴い,白内障や網膜剝離の合併が増加してきている1)。特に網膜剝離は通常の網膜剝離に比べ難治性である。通常の網膜剝離ではバックル手術,硝子体手術とも初回復位率は90%前後,最終復位率は100%に近いが2,3),アトピー性網膜剝離では初回復位率75.2%,最終復位率92.6%とかなり劣る4)。また,初回復位を得られなかった場合は,増殖硝子体網膜症(proliferative vitreoretinopathy:以下,PVR)の悪循環にはまり再手術を繰り返すことがある。
本稿ではアトピー性網膜剝離に対する手術加療に対する術前評価,手術適応,術式の選択,それぞれの手術手順について述べる。
近年,アトピー性皮膚炎の増加に伴い,白内障や網膜剝離の合併が増加してきている1)。特に網膜剝離は通常の網膜剝離に比べ難治性である。通常の網膜剝離ではバックル手術,硝子体手術とも初回復位率は90%前後,最終復位率は100%に近いが2,3),アトピー性網膜剝離では初回復位率75.2%,最終復位率92.6%とかなり劣る4)。また,初回復位を得られなかった場合は,増殖硝子体網膜症(proliferative vitreoretinopathy:以下,PVR)の悪循環にはまり再手術を繰り返すことがある。
本稿ではアトピー性網膜剝離に対する手術加療に対する術前評価,手術適応,術式の選択,それぞれの手術手順について述べる。
参考文献
1)小田 仁・平形明人:アトピー性皮膚炎に伴う眼疾患.眼科45:303-308,2003
2)三木大二郎・樋田哲夫・堀田一樹・他:上方弁状裂孔網膜剝離に対する強膜バックリング法と硝子体手術の比較.日眼会誌104:24-28,2000
3)大島佑介・恵美和幸・本倉雅信・他:裂孔原性網膜剝離に対する一次的硝子体手術の適応と手術成績.日眼会誌102:389-394,1998
4)樋田哲夫・田野保雄・沖波 聡・他:アトピー性皮膚炎に伴う網膜剝離に関する全国調査結果.日眼会誌103:40-47,1999
5)永本敏之:アトピー性白内障.あたらしい眼科17:1607-1612,2000
6)忍足和浩:アトピー性皮膚炎に伴う網膜剝離に対する硝子体手術.ES now 16―網膜硝子体手術 PVRと特殊例.98-101 メヂカルビュー社,2000
7)三木大二郎:液体パーフルオロカーボンの使い方.眼科手術19:204-205,2006
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